素晴らしい旅

「さようなら」より切ない「またね」 言わない君が旅立つ朝

玄関のドアが閉まるまで 涙よ待って 笑うからさ

「どんなに愛おしい時間も終わるよ。」とちゃかしていたくせに
まるでそこに僕がいるように
写真を大事に抱きしめていた

寂しかったのはどっち
我慢していたのはどっち
かき消すように祈るよ
「どうか素晴らしい旅路を。」

進め 進め 君を乗せた船
会えなくても 遠くても 想っている
灯せ 灯せ 一人の夜も
怖がらないで 漕ぎ続けて
また誰かと出逢い 明けていくでしょう

いつものんびり歩く僕の 背中をこづいて急かしていた

「君が早足なだけ。」って笑う だから先にいってしまったんだね

「好きなものばかりでいい
美味しいものを食べようね。」
呼吸器をつけ眠っている
君に囁いた

進め 進め 時計の針よ
呼び方を変え 巡り逢えたら
灯せ 灯せ お祝いの日は
何もかもにキャンドルを立てながら
今度はもう涙で消してしまわぬように

朝 素晴らしい朝 優しい風が
見送った後の 頬を撫でていく

僕もここに君がいるように
写真を両手いっぱいに抱いた
行かなくちゃね

進め 進め 君を乗せた船
何度も何度も大きく手を振る
そして いつか僕も新たな
旅に出かけようと思うんだ
また誰かと出逢い 夜が明けたら
素晴らしい旅が始まるのでしょう
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