ゴミ箱から、ブルース

はじめから何も持ってなかったのに
失くしたも何もないだろうによ
やたらとポケットをほじくる癖がなおらないうちは
猫背もなおらないさ

靴に履かれて
街に歩かれて
頭を引っ込めなければ
帽子を引っ掛けてしまいそうな低い三日月

ブルース。。

洗濯機 レコードプレーヤー 堂々巡りのもの思い
一体何回転させなければならないのか
一日をたった一回転させるがために
一体何回転させなければならないのか

のそのそと寝ぐらを探しているかのように
のそのそと寝ぐらで過ごしている
自分の爪の垢を煎じて
自分で飲んでりゃ世話ないよな。。

ブルース。。

火を点けてみてもいないのに分かろうとするなよ
分かってもいないのに捨てようとするなよ

ひっくり返ったゴミ箱みたいな夜から 転がり出してきたこの歌は
果たして燃えるゴミなのか? 燃えないゴミなのか?

ブルース 潔く燃え上がって 明日を照らすかもしれないし
ブルース 揺るぎなく微動だにせず 明日も在り続けるかもしれない
ブルース。。
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