蛍案内図

かおれ街道沿い 変わりゆく季節に、
木々の囁きが聞こえてくる。

いま冬の匂いがした。

季節外れに立ってる“蛍案内図”には、
まだ誰も知らない秘密の場所がある。

樹齢千年のあの木は、時を越えた旅人が、
杖を逆さにして迷わぬように挿したんだ。

失くしてから気付く青春の面影は、
暗闇に消えた蛍みたい。

寂しさの意味にさえ、
僕らは気付くことなく。

野に咲く菫の花が菫として咲くことに、
正しさや過ち、理由なんてないように。

生きてゆくことにも理由なんてなくても、
ありのままの自分で、
ありのままにゆけばいいんだ。

澄んだ水の中にある宝物を探し続けよう。
行き先などない。

僕らの長い旅路はいま始まったばかり。

新しい季節を待ってる“蛍案内図”には、
まだ誰も知らない秘密の場所がある。

樹齢千年のあの木は、時を越えた旅人が、
杖を逆さにして迷わぬように挿したんだ。
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