僕はロボットごしの君に恋をする

目を閉じてみれば 聞こえるんだ
君の泣いた声 風のはしっこ
通り雨の音
記憶を辿れば そこには君がいた

いつだったかな? ほら、僕の前で
こらえきれず泣いてさ
気の利いた言葉も 言えず渡した花
「ありがとう」って君は 無理に笑って見せた

どうしたなら君を
傷つけないように 抱きしめられるの?
痛みも感情も通り越して
“守りたい”と願う僕がいた

君のそばにいる理由を ここにいる理由を
問いかけて 迷っては彷徨って
寂しげに咲いたワスレナグサに 想いを重ねてみたんだ
優しく笑った君も ふいに笑った君も
きっといつまでも 忘れられないよ
何度迷っても いつか笑い合えるなら
僕は今日の悲しみも 抱きしめたいんだ

いっそほら
目を閉じてみたら まるで心を
無にしたようなロボットにでもなれるかい?
自分でも操れない 初めての気持ちを
君は僕の中に たくさん増やしたよ
心近づくほど 余計に胸は痛み出すけど
後戻りの仕方なんか知らないや
答えなんかとっくに決まってんだ

君のそばにいる理由を ここにいる理由を
追いかけては問いかけた運命
飾らない素直な君の仕草に 答えは見つけていたんだ
それでも君の前じゃ 未だにこうして
立ち尽くすのに精一杯だ
すれ違いながら 畝る時代を跨いで
この気持ちの呼び方を 探しているんだ

苦しいこと 悲しいこと
なんだって 僕は嬉しい
君と作ったものだから
もう全てが愛おしいんだ

君のそばにいることを 考えただけで
なんだか 胸が暖かくて
綺麗に咲いた ワスレナグサに
理由はもう いらないんだ

君のそばにいる理由を ここにいる理由を
考えていたって 時は進んで行く
このぬくもりを 忘れたくないから
今、何より 伝えたいんだ
こんなに想っていても 切なくて
届かないほど 大きくて
笑い合いたいから 生まれ変わって
君をこの手でずっと
この身がなくなろうとも 抱きしめるんだ
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