ノスタルジア

夕焼けが 街を染める
いつもの帰り道
錆びた ベンチに腰掛け
影に 目を落とした

精一杯 背伸びした
鉄棒は 薄暮れのなか
小さく 佇んで見えた

記憶の中で
ざわめく あの日の声
ひとり ふける 黄昏に
切なさが こだまする

そっと 風が頬を 撫でた
巡る時の中
出会って 別れて 別れても 繋がれる
何処にいても

ときおり 恋してた
儚い 青春も
いつしか 丸みを帯びた

幾つになっても
忘れない あの日の夢
過去は どんな 過去でもいい
だからこそ 意味がある

あの日の 自分には 還れない
人生は 戻れない旅だから
歳を 重ねる度 懐かしむ
大切なひと時を ずっと 抱きしめながら

今日という日は
いつか 過去に変わっていく
一分 一秒 焼きつけて
限られた 時の中
明日へと 生きていく
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