望郷さんさ時雨

祭り囃子(ばやし)がヨー 聞こえる頃は
小雨にこころも 湿りがち
さんさ時雨はヨー 故郷の唄よ
老いてひとりの 母さんは
はやり風邪などヨー ひいてはないか

あの娘菅笠(すげがさ)ヨー かすりの着物
瞼の向こうに ゆれる笑顔(かお)
さんさ時雨でヨー 結ばれたいが
逢わず三年 また五年
濡れていないかヨー 五尺の袖が

里はしばれてヨー お山は雪よ
北西風(ならい)の風吹きゃ 冬じたく
さんさ時雨でヨー 今年も暮れて
いつになったら 親孝行
夢のひと文字ヨー 捨ててはないが
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