写真には残らないシュート

懐かしいグラウンド
校舎の影から見えた
夏のはじまりに

放課後になると
いつも走っていた
男の子想い出すんだ

でも試合にはたまにしか出ない
それでもね
誰よりも大きな声で
ベンチを支えて
叫んでいたこと
わたし知ってたわ
遠くから応援してた

あの日チャンスがやって来たとき
泥だらけになりながら
向かってゆく
その姿に願い込めて
次の瞬間時間は止まった
涙の先に見えた笑顔と
写真には残らないシュートは決まった
わたしだって 負けないわ
そう思った

教室の窓に
映るあの頃より
ほんの少しわかってきた

一握りのヒーロー
そのすぐ近くで みんな闘っているんだ

ゴールなんてさ ないのかも知れない
それでもね 立ち止まるわけにいかない
人生のレースに 嘆くこともあるけど
制服は脱ぎ捨てた
全力で追いかける

そしてチャンスがやって来たとき
泥だらけになりながら
向かってゆきたい
後悔はしたくない
シュートは
大きくハズレたとしても
チカラを込めて
蹴り出してみせる
写真には残らない毎日を生きるんだ
わたしだって 負けないわ
そう思った

いつかチャンスがやって来るとき
すぐに向かってゆけるようにと
今でもずっと覚えているの

あの日確かに時間は止まった
目を閉じればすぐ浮かんでくる
写真には残らないシュートは決まった
わたしだって 負けないわ
そう思った
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