紫陽花が咲く頃

濡れた前髪を分けて あーあ と呟いた 夕立が嗤う
晴れた空の向こう あーあ すぐそこで夏の匂いがする

壊れた電灯 閉まる商店街
開かずの踏切近く公園で
いつかの今日も 雨が降っていた
積み重ねた ただいま を消したのは
僕なのになあ

紫陽花が咲く頃 君の亡霊が 僕を呼んでいる
“会いたいな” この気持ちを君のせいにして

冴えた頭が余計な ことばっか 考えて止まない
降り続く6月の 雨 が止めば 忘れられたりしてさ

例えばいつかが来るとして
僕らはそれで幸せかな とか
君を案じるフリをして
僕らはそれが幸せだろ とか

かっこ悪くてため息が出る

紫陽花が咲く頃 君の亡霊を探して彷徨う
僕らのその続きは 夏に溶けてゆく

だから
紫陽花が咲く頃 君の亡霊が僕を呼んでいる
“会いたいな” この気持ちを君のせいにして
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