蛇の目小紋の女

小雨が ふるふるふる
紫陽花いろの 雨が
格子に ふるふるふる
わたしの心に ふる
恋がせつない
ちがう生き方 みつけられない
あなただけに 燃えてゆく
蛇の目小紋の 女がひとり
足袋をぬらして おとこの胸に
傘にかくれて 通う細道
…あなたは花冷えの 想いびと

灯りが ちらちらちら
墨絵のような 町に
情念 ちらちらちら
蛍火みたいに ゆれ
雨に滲んで
なにがあっても 悔いはしません
あなただけに 燃えてゆく
蛇の目小紋の 女がひとり
愛の重さを ひきずりながら
雨の掘端 急ぐ夕暮れ
…あなたは花冷えの 想いびと

蛇の目小紋の 女がひとり
足袋をぬらして おとこの胸に
傘にかくれて 通う細道
…あなたは花冷えの 想いびと
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