人魚

わたしは人魚に生まれて 人目をさけて育った
嵐の夜の海原で 溺れた彼と出会う

荒れ狂う波を掻きわけて 肌にさわったとき
冷たい血がざわめいた さようならさようなら

七つの海はもう 静かに靡いた
わたし真珠の涙を 月に食べられたの

ふたりは夕凪のとりこ 輝く波にあそばれて
世界の恋人たちと おんなじ色に染まった

海の神様に隠れて 透きとおる誘惑
いちどきりのキスをした さようならさようなら

七つの海はもう 静かに靡いた
わたしあなたの命を 胸にのみこんだの
さようなら海 じゃあね
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