「鼓動が止むまで傍にいる」なんて
違える約束はせず ただあなたといたい

「掴めないものほど欲しくなる」と云うなら
あたしはあなたのものに なれなくてもいいの

あなたと染まる 季節 沈んでいく
あたしは兎角 微熱に喘いでいた
聞き慣れた声、手のひら どこにもいない
結んだ指の先 ほどけた

時が経つことも 惜しくなるようで
運命なんて馬鹿らしいことすら 信じたくなる

橙の夕日に世界が溺れていく
あなたと二人肩を並べて見とれていた

少し背伸びをしたまま大人になるあたし

あなたが染める 影は 消えていく
愛した街も 人も いなくなる
たったふたりきり 世界に落ちていく
そんな気がしていた

強がりもワガママも 照れ隠しの言葉も
抱きしめた体さえ この手をすり抜けるの
悔いたっておそい もうあなたはいない

あなたと染まる 季節 沈んでいく
あたしは兎角 微熱に喘いでいた
聞き慣れた声、手のひら 今はどこで

さよなら愛した

あなたに染まり 愛(かな)し 恋い焦がれ
あたしは同じ色を重ねていく
たったひとりきり 辿った色褪せない
あなたの指の先 ほどけた
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