いのちのありか

白もくれんが咲いたらと
いっていたあなた
いまはもう みどり濃いいとき
色あざやかな オナガドリが
いちぢくの木で 鳴いてます
ひとの気持ちと 季節のめぐり
はっきりと 知れるのは
胸の痛さ だけ
見えてあるときは ほんのわずか
でも だから 思いがつのる
近くに わたしはいます

光りさす 木の根かたに
いのちのありかが 見てとれるから

不思議な夢を語るのが
好きだったあなた
いまはただ ひとりなつかしむ
シマフクロウが 身じろぎもせず
じっと世界を 見ています
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