晩秋

熱い砂で 濡れた肌
二人で暖(あたた)めたのは 三月(みつき)だけの夢なのね
今ならわかるわ
あなたは 醒(さ)めてゆく切なさに
耐えきれず街を出たの
私はのこされて 泣いたけど
しらない振りを してみるわ

霙(みぞれ)まじり 雨の道
あなたの横顔うつす 枯葉色の石だたみ
どこまでつづくの
あなたは 夏の日を忘れたら
この街に戻るかしら
私は逢いたくて 泣いたけど
しらない振りを してみるわ
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