裏町しぐれ

上手に生きて なぜ行けぬ
上手な酒が なぜ飲めぬ
くすぶるつもりは さらさらないが
男一途の 胸の火を
訊くな覗くな 裏町しぐれ

ことさら寒い この冬に
なにゆえ意地を また見栄を
つぶしの利かない 男ですまぬ
深くおまえに 傘を差す
頼りきりだよ 裏町しぐれ

おまえが築く 岩の城
この俺次第 砂の城
ここまで来たのに 負けられないさ
力込めては 肩を抱く
雨も小降りの 裏町しぐれ
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