優しい記憶

まっ白な息を遊ばせて僕ら
自転車に君を乗せストーブを買って
何にも無い部屋で二人うずくまって
『もしも』なんて話しを飽きずに朝まで。

あれから何度の冬を数えただろう?
僕らは散り散りになってしまったけれど
あの日のバカげた話しの続きで
『もしも』今君がここにいてくれたなら。

空一面に広がった粉雪よ
今降り積もれ降り積もれこの心に

夏に忘れた花火思い出してはしゃぎながら公園へ鼻を赤くして
雪を照らして浮かび上がった影
銀世界、名残り花火、君のいる景色

ねぇ粉雪よ 君の記憶を隠してよ
こんなに優しい記憶を今見せたりしないでよ

月日が過ぎ去って行くたびにやさしい記憶しか残らなくて
今ここに居てくれないのなら なにも見たくないから

空一面に広がった粉雪よ
今降り積もれ降り積もれこの心に
この大空を包んだ粉雪よ
さぁ降り積もれ降り積もれこの心に

白く白く
×