下町人形

泣いて暮せば 笑われる
意地を通せば 憎まれる
おなじ運命を 背負(しょ)いながら
みんな他人の 花街で
今日も哀しく 眉を描く

もっと自分を 大切に
生きておくれと 云った人
見栄を忘れて ただ一途
愛し続けた その後の
襟に冷たい 別れ風

想い寄せても 届かない
情けかけても 外される
所詮ひとりの 人形なら
愚痴や涙は 花街の
水に流そう 博多帯
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