野付水道

あなた止める手 ふりきって
東京出たのは 夜明けです
シベリアおろしに 吹かれてひとり
想い出捨てたい 旅なのに…
愛(いと)しさ憎さが ぶつかりあって
みれん…みれん…みれん渦巻く 野付水道

打瀬船(うたせぶね)ゆく たそがれに
あなたの温もり 思い出す
流氷まつりの 人波の中
押されてはじめて 気がついた…
あんなに優(やさ)しい 人などいない
呼べば…呼べば…呼べばしぐれる 野付水道

明日は襟裳岬(えりも)か 知床か
たたずむ港に 雪が舞う
この海みたいに 国境線を
引いたら気持が 晴れますか…
おしえてください 燈台灯り
どこへ…どこへ…どこへ帰ろう 野付水道
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