amazarashi「地方都市のメメント・モリ」の歌詞一覧リスト

曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
ワードプロセッサーamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa遮光粘膜に囚われて 能動性が切断された感性を 自由解放運動、奪還の行路 故に単身武装蜂起  生きるか死ぬかにおいて 終わりを逆算、サバービアのメメント・モリ シャッター街の路地 郊外の鉄橋 背後霊が常に見張っている  言葉から言葉の国道を 往復し続けた十万キロの中古車 海岸に見果てぬ夢を看取り続けたら 夢だってとうとう見果てた  骨をうずめるなら故郷に でも僕の言葉の死に場所ならここだ 十年後、百年後 何かしら芽吹く種子だと確信している  歌うなと言われた歌を歌う 話すなと言われた言葉を叫ぶ 燃やすほどの情熱もないと いつか流したあの敗北の涙を 終わってたまるかと睨んだ明日に 破れかぶれに振り下ろした苛立ちの衝動を 希望と呼ばずになんと呼ぶというのか  現実も空想も等しい重さで 鉛となり降りしきり その胸に空いた風穴 そこからあんたの白けた明日ってやつが見える  演算式にしゃべり続けたワードプロセッサー 破り捨てられたちっぽけな一行も 数年を経た今となっては ついには岩のような絶望すらも穿つ  歌うなと言われた歌を歌う 話すなと言われた言葉を叫ぶ 燃やすほどの情熱もないと いつか流したあの敗北の涙を 終わってたまるかと睨んだ明日に 破れかぶれに振り下ろした苛立ちの衝動を 希望と呼ばずになんと呼ぶというのか  歌うなと言われた歌を歌う 目が眩む
空洞空洞amazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa耳を塞いだって ざわめきは聞こえてくる 酸性雨で花は枯れた 明日咲くはずの花は枯れた 意味のないことばっかりだ 意味ばかり求めすぎるから トンビは山に鳴いた もう帰れないと泣いた  掃き溜めみたい憧憬も 遠くからは見とれていた 憧れが駆け込み乗車 いたたまれなく頭を垂れた 絶望と君、隣り合わせ 自暴自棄とは背中合わせ がらんどうが乗り合わせ 乗り過ごしたんだ幸福を  空っぽな奴ほど詩を書きたがる ほんとそうだよな ほんとそうだよな  傷ついたなんて言わないぜ けど痛くないわけじゃないよ 優しい人なんていないぜ 武装解除しただけ 空洞空洞 僕らが野垂れ死んだって その頃には忘れるくせに 「信じてる」も「愛してる」も オーナメント巻いてる空洞空洞  何にもやる気が起きないよ やりたいことなんてないよ 反省なんかもうしないよ 責任なんてとらないよ 別れた人はもう忘れた でも忘れたこと忘れない 亡霊と僕ら生きてる つまりは憑りつかれてたんだよ  送電鉄塔 原っぱで口ずさもう 夢にあふれた歌 夢にあふれた歌  死にたがらない奴らが 死にたがる奴らを迫害した 翌日の某コンビニで マシンガンは品切れ 空洞空洞 君の骨は拾えないぜ この命使い果たすまで それを使命と呼ぶんだよ そんな訳ねえよ 空洞空洞  離れるものを留める術それすら持たない僕らは 泣き言ばっかを歌う 最近街でよく流れる流行歌 あれだってそう 誰だってそう 街はがらんどう 巨大な空洞 車道の側溝 自販機の横 笑みの喉元 君の足元  夢、希望も恨みつらみも 「君に会いたい」も「くたばれ」も 詰め込んだ火炎瓶で 世界ざまあみろ 空洞空洞 みんな死んだ焼野原で めでたしめでたしで終わり そうだったらいいのにな なつかれちまった 空洞空洞
フィロソフィーGOLD LYLICamazarashiGOLD LYLICamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa辛くて悔しくて まったく涙が出てくるぜ 遮断機の点滅が警報みたいだ、人生の くさって白けて投げ出した いつかの努力も情熱も 必要な時には簡単に戻ってくれはしないもんだ  回り道、遠回り でも前に進めりゃまだよくて 振り出しに何度戻って 歩き出すのも億劫になって 商店街の街灯も消える頃の帰り道 影が消えたら何故かホッとして 今日も真夜中に行方不明  死ぬ気で頑張れ 死なない為に 言い過ぎだって言うな もはや現実は過酷だ なりそこなった自分と 理想の成れの果てで 実現したこの自分を捨てる事なかれ  君自身が勝ち取ったその幸福や喜びを 誰かにとやかく言われる筋合いなんてまるでなくて この先を救うのは 傷を負った君だからこそのフィロソフィー  都市の距離感解せなくて 電車は隅の方で立ってた 核心に踏み込まれたくないからいつも敬語で話した 心覗かれたくないから主義主張も鳴りを潜めた 中身無いのを恥じて ほどこした浅学、理論武装  自分を守って 軟弱なその盾が 戦うのに十分な強さに変わる日まで 謙虚もつつましさも むやみに過剰なら卑屈だ いつか屈辱を晴らすなら 今日、侮辱された弱さで  うまくいかない人生の為にしつらえた陽光は 消えてしまいたい己が影の輪郭を明瞭に 悲しいかな生きてたんだ そんな風な僕だからこそのフィロソフィー  正しいも正しくないも考えだすとキリがないから せめて望んだ方に歩けるだけには強がって 願って破れて 問と解、肯定と否定 塞ぎがちなこの人生 承認してよ弁証法 悲しみを知っている 痛みはもっと知っている それらにしか導けない 解が君という存在で  そもそも僕らが生きてく動機なんて存在しなくて 立ち上がるのに十分な 明日への期待、それ以外は 僕は僕の問いを解いて 君は君の、君だからこそのフィロソフィー
水槽amazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa車両基地のレールが 喘息みたいに軋む音がして 雨が近いことをさとる ショッピングモールの駐車場では ベンチに腰掛けた春が ATMが開くのを待っていた 陽射しは依然、退屈な音量で オルゴールみたいなジャズは この町に似合うことを自覚してるから 鳴るべくして鳴っているのだ  僕らは焦りで満たされた 水槽で生きてるから 僕らは恐れが充満した 喫煙室で暮らしてるから 今日が終わることに焦りも恐れもなく 清書された一日を 目でなぞる様に そして、あくびを噛み殺しもしない  誰かそのエアーポンプの電源を切ってくれないか さもなくば僕がそうする  見てみろよ これが世界の全てだ シャッター商店街 環状道路7号線 地元のラジオから流れるスタジアムロックが 大仰なエンジン音で ネズミ捕りに捕まった 退屈も悪くないって言葉は 退屈以外を知ってはじめて言えるんだ そして、あのパチンコ店の看板 あれが世界の果てだ
空に歌えばPLATINA LYLICamazarashiPLATINA LYLICamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa虚実を切り裂いて 蒼天を仰いで 飛び立った永久 空に歌えば 後悔も否応無く 必然 必然 なるべくしてなる未来だ それ故、足掻け  蜃気楼 涙の川を漕ぎ出して 幾星霜 さよなら 行かざるを得ない 何を失ったとて  忘れない 悔しさも 屈辱も 胸に飾って  虚実を切り裂いて 蒼天を仰いで 飛び立った永久 空に歌えば 後悔も否応無く 必然 必然 断ち切るには眩し過ぎた 未来へ、足掻け  人を傷つけずには 本懐は遂げられず 失って構わないと思える 理想が道しるべ  笑うなら 笑ってよ 嘲笑も 道連れにして  あの日の君の声 言いたかった事 言えなかった事 空に歌えば 後悔を振り切って 必然 必然 投げ出すには背負いすぎた それ故、足掻け  苦悩は一陣の驟雨となりて 行かすものかと足にすがる嘲笑の泥濘 雨雲に幽閉 隔離された空 捕縛された暗がりからの逃走 掴んだものはすぐにすり抜けた 信じたものは呆気なく過ぎ去った それでも、それらが残していった、この温みだけで この人生は生きるに値する 失意の濁流を抜けて 曇天から射す一条の光 その時、既にもう 雨は上がっていた  虚実を切り裂いて 蒼天を仰いで 飛び立った永久 空に歌えば あの日なにか叫んでた君の声 言いたかった事 言えなかった事 空に歌えば 後悔も連れ立って 必然 必然 終わらすには失くしすぎた それ故、足掻け 有限 有限 残り僅かな未来だ それ故、足掻け
ハルキオンザロードamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa僕らの別れは最初から決まっていた 墓石に刻みたいくらいさ 君と過ごした数年は ピックアップトレーラーにそれぞれ雑魚寝して 寝汗に染み入る虫の声 真空パック夏の情景 ハルキはホントに人生が下手だから 子供のキャッチボールみたいに 全く不器用な放物線 ああ ああ 放り投げた身体が 落下したとある夏の一夜 そこが我が家だって顔で生きていた  道なき道、すらない道 辿ったのではなく描いたのだ 世界は白紙のノートで 留まるにはまだ広すぎる  生きるという名前の列車に乗って 時間の後ろ姿、追い越した 相席をした彼の名は悲しみ それを知ったのはもうずっと後 夜を散らかし 夏を散らかし それを露骨に照す夜明け  ライブの打ち上げで 酒癖悪い奴に絡まれて さっさと逃げ出して、そいつのバンに立ち小便 美しい記憶はいつも夜だ ぼろい電飾看板と月と 二人だけが浮き彫りのエッチング画 想像力で飛べるなら宇宙の果てじゃなく僕の中 見たい景色を掘り返す 墓暴きみたいに掘り返す でかい夢ほど僕らを汚す 例えば作業服のペンキ跡 ロマンチストはいつも泥まみれ  積み上げたら積み上げた分 その重さで身動きとれないな 世界中全部ガラクタ 眩いばかりのガラクタ  馬鹿でかい音楽、投げやりな酩酊 世界の真理が休符の隙間 愛した彼女は砂漠の一滴 時間の速度で飛び散って干上る 夜を散らかし 夏を散らかし それを露骨に照す夜明け  馬鹿笑いした夜が耳鳴りになって 眠れぬ夜に刃先を突き立て 僕らの間に川が横たわる 時間という名前の川が 青春と呼ばれた無残な抜け殻 君が変わったように僕も変わった 僕らの別れは最初から決まっていた 一番眩しい恒星ほど 燃え尽きるのも早いんだ  ハルキ、君は僕にとって腫瘍だ 手の施しようない未知への衝動 眩い光ほど誘われる虫 白日の下でどこへ行けばいい? 時の移ろい 人の移ろい 今でも露骨に照らす夜明け
悲しみ一つも残さないでamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa汽笛が鳴れば素っ気なく もうこれまでと旅ゆく人 泣けば切ない、笑えば尚更 だから悲しみ一つも残さないで 家族と別れ、友と離れ どこで暮らしても僕は僕で そういう考えはやめておけ 生きた轍を君と呼べ  ああ大嫌い 悲しい事は なのに僕らさよならばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ  できればこっそり出てってくれ 悲しみ一つも残さないで  旅ゆく人は荷物も少なく 望郷、忘れ難き思い出も 始発駅に全部置いてくるから 青森駅は感傷だらけ 夢は夢だとうそぶいた 叶えてこその夢だと誰かが言った 夢を終えた奴らに耳を貸すな 君の夢なら 君が夢見ろ  ああ大嫌い 苦しい事は なのに僕ら戦ってばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ  できればこっそり出てってくれ 悲しみ一つも残さないで  戦う人よ傷を癒せ 道半ばで倒れる事なかれ 「命など惜しくない」と言うが 君を惜しむ人がここにいる 先は長いが終わりは早い 焦りはじめてからが始まりだ その先の事は僕も知らない 言いたい事はこれで全部  ああ大嫌い 寂しい事は なのに僕ら旅立ってばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ  汽笛が鳴るから僕も行くよ 悲しみ一つも残さないで 悲しみ一つも残さないで
バケモノamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa彼は化け物 嘘を食らう獣 月曜の朝に捨て犬のように公園で出会う 濡れたアサガオ 真夏の太陽の 真下で倒れ 息も絶え絶え 怯えた目玉で  しなびた体毛を撫ぜれば ひきつる口元 痩せこけた体躯 それは憐みだったか、情けなのかどうか 僕の嘘を一つあげようか  例えば僕は今消えたいのに 嘘をついてる 嘘をついてる 家族の手前、学校には時間通り出掛けるんだよ そして今日も楽しかったんだと 嘘をついてる 嘘をついてる こいつを食らえ なあ化け物、ずいぶんうまそうに食うもんだな  彼は化け物 嘘を食らう獣 腹を満たして僕に懐いて 見る間に育って 僕は除け者 飛び降た歩道橋 病院の窓 すすり泣く母 木立ちに夕焼け  もの欲しそうな表情浮かべ 次第に肥大するその体躯 次の嘘をもっともっととせがむもんだから そうか 僕の嘘を一つあげようか  ほんとは僕、死に損なったのに 嘘をついてる 嘘をついてる 家族の手前 「運が良かったんだ」と 悪びれて笑ったよ そして今日も息をするみたいに 嘘をついてる 嘘をついてる こいつを食らえ なあ化け物、ずいぶんでかく育ったもんだな  僕の背丈を超えた化け物 嘘の塊みたいな僕を 綺麗さっぱり食べてくれないか 「生きるのが辛かった 苦しくてしょうがなかった だけど辛いと思われるのが 一番辛いことだから」 ようやく本音叫んだら 化け物は見る間に萎んだ でもね僕はまだ嘘を隠してる 自分さえ騙す僕の嘘を  ほんとは笑って生きたいくせに 嘘をついてる 嘘をついてる 理想、現実 そのずれを 埋めるための仮初の夢想なら 弱い僕らに嘘は必然か 今日も誰もが 嘘をついてる そいつを食らえ なあ僕らは、表裏一体の実像と影  彼は化け物 嘘を食らう獣 一人に一人 誰も彼もが背後に匿う その隠し事 蓋をしてる腫物 君の背後にそびえ立つ影 ずいぶん巨大だな
リタamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa君が出てくならそれでいいよ 借りた物は返すから 時計もCDも電車賃も全部 君の優しさ以外は  線路沿い 一人歩いてる夜道の 街灯に影が二つ 君の亡霊だ きっとそうなら嬉しいな 明かり途切れてひとりぼっち  変わらないと思ってた そんなものある訳なかった でも君はそう思わせたんだ まるで詐欺師か魔法使いみたい ねえリタ  離れない人に泣いたりしない 壊れない物に泣いたりしない 一人で平気 嘘なら言える 言葉だったら どうとでも言える  部屋の中 黙りこくった冷蔵庫と 笑い声がテレビの中だけ 気持ちが見えたならいいのにな いややっぱりいらないや 残酷だから  人の為に生きたい君と 自分の為に生きたい僕 合わない歯車が回っては軋む音 そんな風だった、二人の笑い声  一つを選ぶという事は 一つを捨てるという事だ それならいいよ 僕は大人しく ゴミ箱に入って君を見送るんだ ねえリタ  自分の為に泣いたりしない 苦しい時も泣いたりしない そんな君がさ なんで泣くのさ 僕より先に なんで泣くのさ  自分とばかり向き合って 人とは決して向き合わずに 言葉を選ばないのなら 傷つけて当たり前だ 過去とばかり向き合って 今とは決して向き合わずに 後ろ向きで歩いてりゃ つまずいたって当たり前だ  留まる人に泣いたりしない 分かったつもり だから僕はもう 自分の為に生きたりしない 誰かの為に笑ってみたい 君みたいに  忘れた過去に泣いたりしない 過ぎない時間に泣いたりしない 君と笑った 季節が終わる 時は流れる たったそれだけ
たらればGOLD LYLICamazarashiGOLD LYLICamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewaもしも僕が天才だったなら たった一つだけ名作を作る 死ぬまで遊べる金を手に入れて それこそ死ぬまで遊んで暮らす もしも僕が王様だったなら 嫌いな奴は全員消えてもらう 僕以外、皆居なくなるかもな なら僕が消えた方が早いか  あなたの眠った顔見ていたら こんな僕も 悪くはないなって思えたんだ 無い物ねだりの 尽きない戯言  もしも僕の頭が良かったら 大学に行って勉強するよ 立派な仕事で親孝行して 両親が喜ぶ顔が見たかった  もしも僕が優しい人だったら 困ってる人は全員助ける 見て見ぬ振りで素通りして 惨めな気持ちになるのは、もう嫌だ もしも僕が話し上手だったら 深夜ラジオのパーソナリティーになる どこかの誰かの辛い一日を 笑顔で終わらせる人になる  あなたの眠った顔見ていたら こんな僕も 悪くはないなって思えたんだ 無い物ねだりの 尽きない戯言  もしも僕がミュージシャンだったなら 言葉にならない言葉を紡ぐ 誰も聞いた事無い旋律で そんな事考えていたっけな  もしも僕が名医だったなら 親父の病気は僕が治す 照れくさいから言わないけどな そういうとこばっかり似てるよな  あなたの眠った顔見ていたら こんな僕も 悪くはないなって思えたんだ 無い物ねだりの 尽きない戯言  もしも僕が神様だったなら 喜怒哀楽の怒と哀を無くす 喜と楽だけで笑って生きていて それはきっと贅沢な事じゃない  もしも僕が生まれ変われるなら もう一度だけ僕をやってみる 失敗も後悔もしないように でもそれは果たして僕なんだろうか
命にふさわしいPLATINA LYLICamazarashiPLATINA LYLICamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewa好きな人ができた 確かに触れ合った アスファルトより土 鋼鉄より人肌 無意識に選ぶのが 冷たさより温みなら その汚れた顔こそ 命にふさわしい  身の程知らずと ののしった奴らの 身の程知らなさを 散々歌うのだ 前に進む為に 理由が必要なら 怒りであれなんであれ 命にふさわしい  こぼれた涙を蒸発させる為に 陽が照る朝を 飽きもせず こりもせず 待っている 待っている 全部を無駄にした日から 僕は虎視眈々と描いてた 全部が報われる朝を  世界を滅ぼすに値する その温もりは 二人になれなかった 孤独と孤独では 道すがら何があった? 傷ついて笑うその癖は  そんなに悲しむことなんて無かったのにな 心さえなかったなら  友達ができた 理想を分かち合った 向かうべき場所に 歩幅すら共にした 裏切られたっていいと 道端ひれ伏すような 酩酊の夜明けこそ 命にふさわしい  失くした何かの埋め合わせを 探してばかりいるけど そうじゃなく 喪失も正解と言えるような 逆転劇を期待してる そしてそれは決して不可能じゃない 途絶えた足跡も 旅路と呼べ  世界を欺くに値する 僕らのこれまでは 一人になれなかった 寂しがりや共が集って 道すがら何があった? 傷つけて当然な顔して  そんなに悲しむことなんて無かったのにな 心さえなかったなら  愛した物を守りたい故に 壊してしまった数々 あっけなく打ち砕かれた 願いの数々 その破片を裸足で渡るような 次の一歩で滑落して そこで死んでもいいと 思える一歩こそ ただ、ただ、それこそが 命にふさわしい  心を失くすのに値した その喪失は 喜びと悲しみは 引き換えじゃなかったはずだ 道すがら何があった? その答えこそ今の僕で  希望なんて いとも容易く投げ捨てる事はできる 心さえなかったなら  光と陰
ぼくら対せかいamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむamazarashi・Yoshiaki Dewaモールの駐車場で花火してはしゃいでいる若い親子連れ 野球場とドンキのライト煌々と まるで系外惑星のメテオライト 二日酔い吐瀉した給付金 鱗粉にかぶれる地方都市 バイパスで先輩が死んだ ここ十年毎年死んだ 人生に意味を問うたら終わりだ って価値観で虫を潰した 僕らにとって哲学とは居酒屋の便所に貼ってあるポエムだ 飲みすぎたときにだけ「頷けなくもないな」なんて頭よぎる代物 翌日には汗と伝票であっという間に干上がる  光は木漏れ日 操車場の貨車に 働くあなたに いつか世界を変えたあなたに  かつては僕と君だけがいて その静謐な場所を世界と呼んで 結んだ身体 終末に青さを看取って 校舎の夕焼けときのこ雲 ブレザーのリボンと孤立の最果て オイルの染みたシャツで 幻想をトラックに積み込む  過去 未来 ぼくら対せかい  何かを置き去りにしてしまった気がするんだよ でもそれが何なのかはもう忘れた もしくは何かに置き去りにされたのかもしれない いつもせっかちで何かの使命みたいに 先を急ぐ彼女の名前はたしか「時間」 後ろ姿さえもう見えない その微笑さえ思い出せない  痛みは過ぎ去り かさぶたの夕焼け 古傷、疼けど かき消した目覚ましの音  かつては眼前に無限の荒野 行くも行かざるもただ勇ましく 倒れた友よ 決して置いて行きはしないぞ 繊細さ故、僕ら武装蜂起 劣勢から覆し掴みとる勝利 かつての栄光 梱包しても宛先不明  過去 未来 ぼくら対せかい  世界は変わると信じてた 僕らが変えると信じてた 離れ離れになったって 気持ちは変わらないと疑いもしなかった 裏切りも 欺きも いわれのない濡れ衣も へつらいも 言い訳も 口約束も マンガ喫茶も 満員電車も 見え透いたお世辞も 謝罪も 恥も罵倒も 本音を語れる仲間も かつての戦友も かつて笑えなかった笑い話も 音楽も 息子、娘も 政権も 右も左も 過去、現在も 未来の話も  束の間の休息、週末に 公園でぬるい風に吹かれて 繋ぎあう手に 時を経た分、それだけの温もり あの日救った世界の続きを あの日うち倒した世界のその後を 苦悩しながら 僕ら懸命に生きてた  過去 未来 ぼくら対せかい
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