amazarashi「あんたへ」の歌詞一覧リスト

曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
まえがきamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむ上手く逃げおおせたと思っても 夕暮れ時の影みたいに付きまとう 不確かさは自身の背丈をこえて もはや死神の類いだ 心ならずとも流れ流れて どうせ戻れなどはしないのだ 自身の弱さや不成功を顧みる 青の時代はとっくに過ぎたのだ ひぐらしの声が 遥か遥か遠く 風が吹けば飛ぶよな、惨めな決意だが 触れたくても触れられないもの 消したくても消せはしないもの どっからどこまでが自分で どっからどこまでがあんたで  ────懐かしい感傷と呼ぶには 煤けすぎた失敗達と 行こうか行かざるかにあえぐ これからのあんたへ捧ぐ
あんたへGOLD LYLICamazarashiGOLD LYLICamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむはやく 涙拭けよ 笑い飛ばそう 僕らの過去  行くあても帰る場所もないから 頭の中に僕の居場所を作った そこで笑っている父や母や恋人が かつての面影だと気付いて途方にくれる くだらねぇや と強がって壊した そしたら 意味もなく涙が溢れた 工業排水を垂れ流して汚れつちまつた 裏通りのどぶ川みたいな色の涙です  何があんたの幸せとか 正解と不正解の境界線だとか 結局決めるのはあんた自身で 自分で自分の首を絞める事はないよ 駄目な自分を愛するために まず必要なのは自分を許してやる事 必死に生きるのは得てして無様だから 人に笑われても気にすんな  明日は どうなるんだ 答えてみろよ神様  はやく 涙拭けよ 笑い飛ばそう 僕らの過去 そうだろう 今辛いのは 戦ってるから 逃げないから そんな あんたを 責めることができる奴なんてどこにも いないんだぜ  今日は何にもやる気が起きねぇから 一日中テレビばっかり見ていたんだけれど 「この人達はなんて幸せそうなんだ」 とか考え出したら急に笑えなくなった 眠れない夜のもてあました時間は 今日までの人生の反省会 頭を掻き毟って転げた 日々だって無駄にはならねぇよ  未来は 僕自身が 切り開いてみせるよ神様  はやく 涙拭けよ 笑い飛ばそう 僕らの過去 そうだろう 今辛いのは 戦ってるから 逃げないから そんな あんたを 責めることができる奴なんてどこにも いないんだぜ  あんたらしい 人生ってのは あんたらしい失敗の積み重ね 一つ一つ 積み上げては 僕ら積み木で遊ぶ子供みたい あんたらしく 転べばいい あんたらしく立ち上がればいい 他に何もいらねぇよ 他に何もいらねぇよ  はやく 涙拭けよ 笑い飛ばそう 僕らの過去 そうだろう 今辛いのは 戦ってるから 逃げないから そんな あんたを 責めることができる奴なんてどこにも いないんだぜ
匿名希望amazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむバイトに向かう電車の中で うざい背広どもを睨みつけて イヤフォンで鳴る割ったmp3 知る人ぞ知る新人インディーズ 皆と同じはださいから って皆と同じ事をのたまい 何者かになれるはずだった まだチャンスが来ないだけだった  メンヘラと知って逃げ出したんだ 2、3回やっただけのあの娘が 置いてったバンドのCDだが 女々しくてとても聴けたもんじゃない メジャーに行ったらごり押しされて 売れ線になったら用無しだな 入り口のワゴンセールは まるで商業音楽の墓場  傷つけられたから 傷つけてやった それなのにイライラは 終わらない 終わらない  悩み多き君の 日々に平穏を 持たざる者には 悪あがきの力を 痛み多き君の 明日に光を 僕は君の代弁者じゃない 匿名を希望  やりたい事やり続ける為に あがき続けて半死半生だ それでも無気力に生きるよりは 大分ましだって知ってしまった あいつに才能があるはずない 大した人間であるわけない そもそもこの世はクズしかいない 同意するがそろそろ進みたい  傷つけられたけど 怒りも湧かないよ なんて言える程 大人じゃない くだらない  悩み多き君の 日々に平穏を 持たざる者には 悪あがきの力を 痛み多き君の 明日に光を 僕は君の代弁者じゃない 匿名を希望  「ゴミみたいな歌ばかり作って あいつはもう枯れてしまった」 散々文句ばかり言いやがる あれはかつての僕自身だった 文句があるならやってみせろよ 自分で自分の首を絞めて 遂には追いつめられたステージ際 せめて存在を叫んだ  悩み多き僕の 歌に結実を 声無き声には 抵抗の扇動を 痛み多き僕の 過去に終止符を 君の代弁者は君以外にいない 匿名の希望
冷凍睡眠amazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむ冷えたコンクリート もたれて頬を付ける 目線の先 西日に漂う埃を見る 何を話すでも無く 身動きとれず 僕は下手な絵空事ばかりを ずっと空想する 「もう助からないだろう」 君の父さんが言う 丁度その時 眼を細めて笑う君を思い出す 願えば叶うっていう言葉の空虚さだけが 僕の人生にそれからずっと ぶら下がり続ける  心臓は動いたまま眠り続ける 君がもしも死んだら 僕も死ぬ事が出来ただろうか あれから数ヶ月 食うや食わずの生活 生きながらに死んでいるって意味では僕も同じだ この世界からの逃避ばかり考えるのが 癖になり始めた頃に 保険会社の新商品 テレビ ラジオ ネットに 最近目にするコピー 「睡眠中に増える預金」 冷凍睡眠  未だ消えぬ鮮明な美しき日々の色と 幾ら願ってみても決して叶わない事 分かっているが時は絶えた既に手遅れ だからいっそ全部忘れて眠らせてくれ 延命措置によりただ続く寝息も 後ろ髪引かれるだけの断ち切れない糸 堪え難い 悪夢みたい もう忘れたい いや 忘れない 分からない おやすみなさい  それから六十年 僕は眠り続けて 月日は文字通りの悪夢として過ぎて 流転する万物は 無愛想で 冷め冷めとした態度だが 僕にとっては未だ恩人で あらゆる景色が変わり 君の病院も無くなり 始めは苦労した暮らしも 今ではなんとかやってる 晴れ晴れしい気持ちで 新しい人生をやり直す 君の事は忘れたよ ってそんなわけはない  美しい様々には魂が宿り その根底の連結で「美しい」は連なり 例えば夕暮れに望郷が蘇る様に 美しい様々が君の面影を呼び その儚さに脅され続ける日々の果てに 行き着くどん詰まりは やはり生き死にの闇 人は喪失を許容出来る生き物だ だが逃げ出した僕はその限りではない  未だ消えぬ鮮明な美しき日々の色と 幾ら願ってみても決して叶わない事 分かっているが時は絶えた既に手遅れ だからいっそ全部忘れて眠らせてくれ 延命措置によりただ続く寝息も 後ろ髪引かれるだけの断ち切れない糸 堪え難い 悪夢みたい もう忘れたい いや 忘れない 分からない おやすみなさい  すっかり抜け殻になり 歩く並木道 幻覚か 君にそっくりな女の子を見る 休日の陽射し 賑やかに笑うその声に 限りなく確信に近い 君の面影を見る やおら女の子が駆け寄って抱きついた 受け止めた そのしわしわの両手に咲いた あの笑顔はまるで懐かしの絵画か 互いに目を細めて笑う顔は まさに僕の希望だ それこそが僕の希望だ 夢にまで見た僕の希望だ これこそが僕の希望だ 失った僕の希望だ  未だ消えぬ鮮明な美しき日々の色と 幾ら願ってみても決して叶わない事 分かっているが時は絶えた既に手遅れ だからいっそ全部忘れて眠らせてくれ 延命措置によりただ続く寝息も 後ろ髪引かれるだけの断ち切れない糸 堪え難い 悪夢みたい もう忘れたい いや 忘れない 分からない どうすればいい?  冷えたコンクリート もたれて頬を付ける 目線の先 西日に漂う埃を見る 何を話すでも無く 身動きとれず 僕は下手な絵空事ばかりを ずっと空想する  下手な絵空事ばかりをずっと空想する
ドブネズミamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむTVを付けたまま眠っていたみたいで 砂嵐に耳鳴り 喉が渇いている どうしようもない程 笑うだけで苦しいよ こんな日は君が 居てくれたらな隣に  心無い男が指差して笑ってる 落としたその心が 東京湾 埋め立てる 綺麗な物が欲しくて 奪い合ってる人 綺麗な物を無くして 美しく泣いてる人  嵐が来る前に 早く帰っておいでよ そして君と眠る ルラルラルラ  渋谷の果て 地平線 渡り鳥が飛んでる わけもなく突然 一人ぼっちな気がして 人を信じる事 諦めちゃいけないよ それが最後の絆 この世界との きっと  嵐が来る前に 早く帰っておいでよ そして君と眠る ルラルラルラ  痛みの雨の中 ずぶ濡れでも笑ってよ ここが僕らの世界 ルラルラルラ  嵐が来る前に 早く帰っておいでよ そして君と眠る ルラルラルラ  痛みの雨の中 ずぶ濡れでも笑ってよ ここが僕らの世界 ルラルラルラ
終わりで始まりamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむいつもの帰り道ふと 見上げたいつもの夜空 なぜだか あの頃とは違って見えたんだ そうだな ぼくも 少しはまともになれたかな いや そうでもないか 今も変わらず 上手く笑えない毎日です あの頃の仲間も 無茶はしなくなった そりゃそうだ あいつも 立派な父親だもんな 部屋の中で死にそうな 顔をしていた僕も 今じゃこんな歌も歌えるようになった  友達のおかげで立ってるんだ 家族のおかげで歩けるんだ あなたのおかげで生きてるんだ 「ありがとう」なんて言いたかねぇや でもさ  いつか僕らが離れ離れになる その時だって笑っていたい 塞ぎ込んだ過去も正しかったと 言い張るために笑っていたい それだけでいつかの 叶わなかった夢も ただの過ぎた景色になるんだ 結局空っぽのままのこの手を 僕らは大きく振りあって 答えさえ見つけられなかった目に 涙を溜めてさよならして 悲しむな これがスタートラインだよ 僕らの終わりで始まり  この世界はそれほど 綺麗なもんじゃないけどさ そんなに急いで出て行く 事は無いじゃないか 僕等の期待を 世界はよく裏切るけれど 期待していなかった喜びに 時々出会えるんだ  裏切られた事に胸をはるんだ 信じようとした証拠なんだ 疑った分だけ損したんだ 「傷ついた」なんて言いたかねぇや だから  この先何があったって僕らは 振り向かずに走って生きたい つまずいた昨日も助走だったと 言い張るため走って生きたい それだけで 僕らの笑えない思い出も ただの笑い話になるんだ あの時ついに崩れ落ちた膝で 暗闇の中 駆け抜けて あの時砂を握った掌で 確かな物を掴みたくて 分かるだろう これがスタートラインだよ 僕らの終わりで始まり  日々が過ぎて 年が過ぎて 大切な人達が過ぎて 急がなくちゃ 急がなくちゃ なんだか焦って つまずいて もう駄目だ 動けねぇよ うずくまってても時は過ぎて 考えて 考えて やっと僕は僕を肯定して 立ち上がって 走り出して その時見上げたいつもの空 あの頃とは違って見えたんだ あの日の未来を生きてるんだ 全てを無駄にしたくないよ 間違いなんて無かったよ 今の僕を支えてるのは あの日挫けてしまった僕だ  「ありがとう」とか「愛しています」とか 分からないけど歌っていたい 信じてくれたあなたは正しかったと 言い張る為に歌っていたい それだけだ 僕の背中を押すのは あなたが喜んでくれる顔 あの時伸ばし続けたこの腕で 大きくギターかき鳴らして あの時何も言えなかった口で 下手くそな歌を 叫んで いつだって ここがスタートラインだよ 僕らの終わりで始まり
あとがきamazarashiamazarashi秋田ひろむ秋田ひろむ通りすがる風景に 秋の陽はなんだかやけに鋭利 日常は徐行ぎみ 恐る恐る生きる意味 まるで酔っぱらいの世迷い言みたいに 口をつく苛立ち 弱音装う自己顕示 現実 妙に馴れ馴れしい あんたと上手くやれそうにないし  人の評価に怯え 孤独な夜は底冷えする様に事切れ もうやめた 諦めた で終わる一日に募る焦りは 「いってらっしゃい」 生返事とあくびで答える君の笑顔には なんとか報いたいと思う 心に密かに明かり灯る  東京 東京 どうか僕だけを選んでくれないか ほんとどうしようもない 安ホテルで不甲斐なさに泣いた 酩酊して笑い合う 分かち合う 価値だけ続いてくれれば 明日もまた笑顔で帰れる  「ただいま」  詰まるところは 明日を知る なだらかな日々につまずいて 向かうところは ありもせず 未来の居場所だって未定 詰まるところは 明日を知る なだらかな日々につまずいて (九月九日 夏惜しむ、蝉時雨の只中にて)
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